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プロット術(3)

『マンガを読んで小説家になろう!』

マンガを使った面白いストーリー作りのコツを学ぼう

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1.『原稿用紙10枚を書く力』  2.『新人賞を狙える小説プロット実戦講座』

3.『マンガを読んで小説家になろう!』

すべての物語は

パターンと

バリエーションからできている。

(大内明日香、若桜木虔)

『マンガを読んで小説家になろう!』(大内明日香、若桜木虔著、アスペクト)

 第3回目は、大内明日香氏と若桜木虔(わかさきけん)氏の共著となる『マンガを読んで小説家になろう!』のご紹介をします。

 大内氏は、出版社、編集プロダクション等を経て、現在は専門学校で小説技法を教えたり、自主小説講座「Story Hint!」を主催されたりしておられます。若桜木氏は、全頁でもご紹介したように、読売文化センター町田、NHK文化センター町田で小説家養成講座の講師を務めておられます。

 本書は、人気マンガのストーリー構成の特徴を分析し、それを小説作成に応用するという、ユニークな発想と共に、極めて実践的示唆に富んだ内容となっています。

 今まで、ストーリーやプロット作りに苦労してこられた方にとっては、思わす、「そうかっ!」と叫んでしまいそうなエキスが一杯詰まっており、是非とも読んでいただきたい一冊です。

 本書の章立ては次の通りです。

【第一部 心構え編】
第一章:小説家になりたければ、マンガを読もう!
第二章:読める人、書ける人、読めて書ける人
第三章:「いきなり売れっ子」になるしかない
第四章:マンガから学ぶ、面白いストーリー作りのコツ
【第二部 実践編】
第五章:人気作家になるためのストーリー制作法
第六章:人気作品を書くためのパターン選び
第七章:パターンを決めたら、バリエーションを考えよう
第八章:スリルこそがエンターテインメントの真髄

 ここでは、プロット術に関して述べられている第二部を中心にご紹介することにしましょう。

 著者の分析によると、世の中の物語はすべて、「パターンとバリエーションから成り立っている」と言います。本書では、これをケーキに譬えて、パターンがケーキ台、バリエーションがデコレーションクリームとして説明されています。

 何となく、そのイメージするところがわかるでしょうか? 「パターン」というのは、人が好む定番のことであり、バリエーションはそれを差別化し、独自の魅力を演出するための工夫に相当します。

 そこで、著者は小説を執筆する際には、次の手順に従って書くことを勧めています。

1.パターン決め
2.バリエーション決め
3.あらすじ作り
4.原稿執筆

 まず、最初のパターン決めですが、これには代表的なものとして、次の4つのパターンから選ぶことが勧められています。もちろん、複合型も可能です。

  • 主人公成長・破滅もの
    (新世紀エヴァンゲリオン、DEATH NOTE など)
  • 旅もの
    (ドラゴンボール、ファイナルファンタジーなど)
  • 最初から英雄・天才もの
    (YAWARA!、名探偵コナンなど)
  • 特殊なキャラ日常生活ひっかきまわしもの
    (ドラえもん、のだめカンタービレなど)

 ただし、初心者の場合「主人公成長・破滅もの」は避けたほうがいいと指摘されています。というのも、このパターンでは長編を書かざるを得なくなり、初心者にとってはハードルが高いというわけです。

 パターンを決めたら、次はバリエーション決めです。ここでは、次の4項目について考えることが提案されています。

  • 超目的(ストーリー上における、主人公の目的および目標)
  • キャラ(登場人物のこと)
  • ウリ(その作品にしかない魅力的な部分)
  • 世界観(物語の世界の時代と場所と様子)

 幾分、抽象的な表現で申し訳ありませんが、本書では、人気マンガを具体例に、この作品は、このパターンでこのバリエーションを使っています、ということが詳細に説明されています。

 こうして、パターンとバリエーションが決まれば、いよいよあらすじ(プロット)作りに入ります。もしあなたが新人なら、決して、いきあたりばったりで書き始めてはいけません、と注意されています。

 本書の特徴は、従来、「小説を書くにはオリジナリティが大切だ」ということがうるさく言われてきましたが、これに対して、真っ向勝負を挑んだというところでしょう。

はっきり申し上げますが、「自分で全部考えたから、オリジナリティがある」と考えるのは間違いです。「オリジナリティがある」というのは、似たようなものが他にない」ということ。つまり、自分で一生懸命考えた小説の内容も、他に似たような例があれば、それは「オリジナリティがある」とは言えなくなるのです。(p125)

 逆に、ある作品を参考にパターンを決め、徹底的に考え抜いたバリエーションを使うことによって、オリジナリティがあるように見える作品が生まれるというわけです。

 こうした技術をマスターしてしまえば、最初の一作で消えてしまう一冊作家で終ることなく、多作な作家として成功する可能性が高くなることが指摘されています。

 実に、現実的でありながら、重要な観点から述べられた良書だと思います。一読をお勧めします。

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